ゴルフのスロープレーは、スイングに時間をかける人だけが原因ではありません。クラブを取りに戻る、球へ着いてから距離を測る、全員が同じ場所で球を探す、グリーン上でスコアを書く――小さな停止が18ホールで積み重なります。
R&A規則5.6は、ショットだけでなく、ショット間の移動と次のティーへの移動を含めて速やかにプレーするよう求めています。改善の中心は「急いで打つ」ではなく、待ち時間を準備時間へ変えることです。
まず前の組との距離を見る
基準は後ろの組ではなく前の組
後ろの組が見えないから遅くない、とは限りません。自分たちの正しい位置は、基本的に前の組の直後です。前の組が次のホールへ進んでいるのに、自分たちがまだティーショットを終えていない状態が続くなら、どこかで停止が起きています。
ただし、前が詰まっているときに無理に急ぐ必要はありません。安全な射程を保ち、待っている間に距離、クラブ、次の移動を準備します。
スロープレーを防ぐ12の行動
移動とクラブ選び
- 球の着地点を全員で見る。 木やバンカーなど目印を共有します。
- 球へ向かう前に候補クラブを2〜3本持つ。 カートへ戻る往復を減らします。
- 同伴者を球の近くで降ろす。 安全な場所でクラブを渡し、カートは次の球へ進めます。
- 自分の番になる前に判断を終える。 ライ、風、距離、狙い所を待ち時間に確認します。
ショットと球探し
- 素振りの回数を決める。 ルーティンを毎回同じ長さにします。
- 予備球を携帯する。 紛失やOBの可能性があるときにカートへ戻りません。
- 球探しは役割を分ける。 自分の球が安全に打てる人は先に準備し、全員が一か所へ集まらないようにします。
- 暫定球やローカルルールを理解する。 処置に迷ったまま戻る時間を防ぎます。
グリーンとホール間
- グリーンに必要な物を持っていく。 パター、ウェッジ、マーカーをまとめます。
- 自分のラインを他人の番に読む。 視界やラインを邪魔しない位置で準備します。
- カートを次ホール側へ置く。 ホールアウト後に後方へ戻りません。
- スコアは次のティーで記入する。 グリーンを速やかに空けます。
40秒は「考え始める時間」ではない
R&Aは、自分が打てる状態になってから通常40秒以内、できればそれより早くストロークすることを推奨しています。40秒は球へ着いてから距離を測り、クラブを比較し、風を読み始める猶予ではありません。打てる状態になるまでに大部分の判断を終えておく考え方です。
ゴルフ距離計を使うなら、ケースから出す場所とタイミングを固定します。球へ歩きながら前方の安全を確認し、打てる場所に着く前に準備します。測定が安定しないときの基本操作はレーザー距離計の使い方、取り出しやすい携帯位置は距離計をどこにつけるかで確認できます。
レディーゴルフは安全が条件
R&Aのレディーゴルフ解説では、ストロークプレーで安全かつ責任ある方法なら、準備できた人が先に打つことが認められています。遠い人が難しいショットを検討中、短い距離の人が先に打てる場合などが例です。
ただし、打つ人の前方へ出る、予告なく打つ、同伴者の集中を妨げるのはレディーゴルフではありません。マッチプレーでは打順が戦略に関わるため、ストロークプレーと同じ運用をしない点にも注意してください。
編集シミュレーション:4人組のパー4
以下は実測ではなく、遅れの発生点を示す編集シミュレーションです。
場面 | 停止が増える行動 | 改善する行動 |
|---|---|---|
ティー | 全員が打ち終わってから球位置を思い出す | 全員で着地点を見て目印を共有 |
2打目 | 1人ずつカートで球の真横へ行く | 安全な位置で降り、複数クラブを持つ |
グリーン周り | ウェッジを取りに戻る | パターとウェッジを一緒に持つ |
ホールアウト | グリーン横で全員がスコア記入 | 次のティーへ移動して記入 |
この例で変えているのはスイング速度ではなく、移動と待機の重なりです。焦らず、安全を保ったまま停止回数を減らせます。
改善できないときの切り分け
- 前が詰まっている:無理に追い付かず、安全距離を保つ
- 初心者が多い:打順と球探しの役割をスタート前に共有する
- 難しいコース:安全な狙い所を優先し、無理なリカバリーを減らす
- 体調や障害への配慮が必要:画一的な速度を求めず、コースへ相談する
- 競技中:委員会のペースポリシーと競技条件を優先する
初心者の一日の動きは初ラウンドのマナー、移動の基点になるカートはカートマナー、全体原則はゴルフマナー完全ガイドで確認できます。